![]() 選択透過性膜のない直接燃料電池及びその構成要素
专利摘要:
還元剤及び酸化剤の存在下で、電解質に浸漬させた陽極及び陰極を有する直接燃料電池が開示されている。特に、前記燃料電池は、陽極及び陰極の間に選択透過性膜或いは他の化学的バリアを欠くものである。代わりに、前記燃料電池は、前記燃料電池の全ての成分間で液体の自由な拡散を可能にする機械的/電気的多孔質セパレータを有するものである。前記燃料電池はさらに、触媒を有する導電性基板の陽極電極、及び陰極フラッディングを防ぐ疎水性コーティング物質を有する陰極を含む。結果として、陽極燃料の酸化及び陰極燃料の還元がそれぞれ陽極及び陰極でのみ相当な程度で生じ、環境気圧/温度でパッシブな作動を可能とするものである。 なし 公开号:JP2011514634A 申请号:JP2010548849 申请日:2009-02-25 公开日:2011-05-06 发明作者:ザング、ルイミング;パン、イングイ;ポープ、ジョン 申请人:ナノマテリアルズ ディスカバリー コーポレーション; IPC主号:H01M8-02
专利说明:
[0001] この開示は、燃料電池、及び選択透過性膜を含まない液体燃料電池において使用されるセパレータ−電極アセンブリ(SEA)に関するものである。特に、開示された燃料電池は、炭素系燃料源及び空気と同様にアルコール、好ましくはエタノールを用いて長期間作動し、選択透過性膜を必要とせず、触媒として高価なプラチナを使用せず、一般的な大気温度以上の作動温度を必要としないという点で更なる利点を提供するものである。より具体的には、前記燃料電池は、選択透過性膜、若しくは陰極及び陽極の間の他の物理的或いは選択透過性液体バリアがなく、代わりにSEA(セパレータ電極アセンブリ)の一部としてセパレータを使用している。代わりに、前記SEAは、燃料電池の全ての成分間の液体及び電解質の自由な無差別拡散を可能にする多孔質セパレータアセンブリ(選択透過性膜の代わり)を含むものである。前記燃料電池はさらに、基板(substrate)及び触媒を有する選択的陽極(電極)、及び陰極フラッディングを防止する疎水性コーティング物質を含む選択的陰極を有するものである。結果として、陽極燃料(アルコール、好ましくはエタノール)の酸化、及び陰極燃料の還元が、それぞれ陽極及び陰極でのみ相当な程度で生じる。加えて、前記陰極触媒は、陽極燃料と非常に限定された反応性を有し、この選択性は燃料電池のパフォーマンスを改善するものである。さらに、前記SEAは、前記燃料電池を積み重ねることを可能にし、従って著しいパワー出力を可能にする。本発明の開示はさらに、陰極フラッディングに耐え、さらに有効的に作動することができる開示されたSEAにおける使用に対する陰極を提供する。本発明の開示はさらに、約30%Pdを持つ炭素触媒に対する商業的なPdと比べて、約8%Pdを有効的に作動させるPd炭素触媒に対する陽極Pdを提供し、液体燃料電池に対してより費用効率が高い陽極溶液を提供するものである。] 背景技術 [0002] 燃料電池は、化学エネルギーを電気エネルギーへと変換する電気化学装置である。そのようなエネルギー変換に関して、燃料電池は、電気エネルギーを産生するために使用されるバッテリーや燃焼エンジンと同じように見える。しかしバッテリーとは異なり、燃料電池は、燃料を供給する限り電気を産生することができる。それに加えて、燃焼エンジンと反対に、燃料電池は、加熱や機械運動を含む複数のエネルギー変換なしに電気化学反応から直接電気を産生することができる。典型的な燃料電池において、燃料は陽極、及び酸化された放出プロトン及び電子へ提供される。産生された電子は外部荷重を通過し、電気的仕事を行い、陰極へ戻り、ここにおいてプロトンは、プロトンに対して選択的に透過性がある、言い換えれば陰極に対して「選択透過性」である電解質膜を越えて移動する。陰極において、酸化剤は、供給され、プロトン及び電子で還元され、副生成物として純水を生成する。] [0003] 燃料電池は、従来の電気エネルギー産生装置と比べていくつかの重要な利点を有している。燃料電池は、可動部品がほとんどなく製造において単純である。この単純な構造のおかげで、燃料電池は信頼でき長持ちし、さらに燃料電池を静かなものにする。これらの利益に加えて、水が唯一の副生成物である燃料電池は環境に優しい。それに加えて、バッテリーと反対に、燃料電池は燃料補給による連続作動能力を持っている。] [0004] ナフィオン(Nafion)などの選択透過性膜はしばしば、特にPt或いはRuも使用した場合、従来の燃料電池の最も高価な構成要素であることは注意しなければならない。] [0005] 費用に続いて、燃料電池にとって燃料供給は次に大きな問題である。陽極酸化に対するその高い反応性及び純水以外の放出がないため、水素は最も好ましい燃料電池の燃料である。しかしながら、水素は、化石燃料と同様に天然には生じず、95%以上の水素は、化石或いはメタン(CH4)、アンモニア(NH3)、メタノール(CH3OH)、エタノール(C2H5OH)、ガソリン(C8H18)及び類似炭化水素(T.E.Lipman,"What Will Power the Hydrogen Economy?Present and Future Sources of Hydrogen Energy,"Institute of Transportation Studies,Davis,CA,Tech.Rep.UCD-ITS-RR-04-10,2004)などの他の石油化学源から現在産生されている。] [0006] 燃料電池を広く採用するためには、容易に利用可能な燃料を用いて有用なパワーを提供し、安価な物質から製造することが必要である。現在利用可能な燃料電池は、これらの要件を満たしていない。アルカリ燃料電池は、有用なパワーを提供でき、安価な物質から製造できる。しかしながら、それらは陽極燃料として、高価で操作が難しい水素を使用する。加えて、いくつかの場合において、それらは高温(250℃以上)で作動し、高価な温度調節システムを必要とする。最終的に、アルカリ燃料電池は、少量の二酸化炭素にさえ耐えることができず、燃料を使用前に洗浄しなくてはならない、若しくは電解質を作動中にリフレッシュしなくてはならない。これらの欠点の結果として、アルカリ燃料電池は広く使用されていない。] [0007] 直接ホウ化水素燃料電池は、アルカリ燃料電池の一部である。これらの電池において、ホウ化水素ナトリウムは、直接陽極燃料として使用される。しかしながら、アルカリ媒体においてでさえ、ホウ化ナトリウムは加水分解し水素ガスを産生する。直接ホウ化水素燃料電池において、この反応は陽極での反応で利用可能なホウ化水素の量を減らし、産生された水素ガスは安全に扱われなければならない。これらの欠点の結果として、直接ホウ化水素燃料電池は広く使用されていない。] [0008] リン酸燃料電池は、天然ガスを用いて有用なパワーを提供できる。それらは、選択透過性膜を必要とせず、それらの作動温度は、水素が天然ガスから改質されるのに十分な熱さである150℃から250℃の範囲であり、微量不純物を含むので、陽極燃料として直接的に使用され得る。しかしながら、それらは触媒として高価なプラチナを使用し、工場のかなりのバランスを改質及び温度管理の費用にかけることになる。これらの欠点の結果として、リン酸燃料電池は広く使用されていない。] [0009] 固体酸化物燃料電池は、天然ガスなどの容易に利用可能な燃料を用いて有用なパワーを提供できる。それらは選択透過性固体電解質膜を使用し、それらの作動温度は、高度に純粋で硫黄を含まない場合、天然ガスを陽極燃料として直接的に使用することができるのに十分な熱さである1000℃という高さの範囲であり得る。加えて、それらの高い作動温度によって、この電池において使用するのに適した構造的及び電子的導電性材料を見つけるのが困難である。これらの欠点の結果として、固体酸化物燃料電池は広く使用されていない。] [0010] ポリマー電解質、或いはプロトン交換膜燃料電池は、有用なパワーを提供できる。それらは一般的に、物質選択及び温度管理問題を扱いやすいものにするのに十分な低さである室温から80℃の範囲の温度で作動する。しかしながら、それらは触媒として高価なプラチナを使用する。それらは陽極燃料として水素を使用し、これは高価であり扱うのが難しい。それらのプラチナ触媒は、水素における不純物に耐えられず、天然ガスなどの他の燃料から改質された水素と使用するのが難しい。陰極触媒での水素の反応による電池の減極を避けるために、それらは、高価であるナフィオン(登録商標)などの全フッ素置換物質から一般的には構成される選択透過性電解質膜の使用を必要とする。ガス燃料を陽極及び陰極の両者へ運搬するために、それらは複雑なマニホールド、及び3大気と同じ高さのインプット圧力を必要とし、それらは電池の機械デザイン及び物質コストを増加させるものである。それらの欠点の結果として、ポリマー電解質燃料電池は広く使用されていない。] [0011] 直接メタノール燃料電池は、容易に利用可能で安価な燃料であるメタノールからパワーを提供できる。それらは一般的に、物質選択及び温度管理問題を扱いやすいものにするのに十分な低さの温度である室温から80℃の範囲の温度で作動する。陽極燃料が液体であるので、直接メタノール燃料電池の体積エネルギー密度は、ポリマー電解質燃料電池などの水素ガスを使用した電池と比べて、非常に高くなり得る。しかしながら、それらは、それらの触媒において、非常に高荷重での高価なプラチナを使用する。それらは、陽極での中間反応産物による触媒の毒作用に悩まされる。それらは、陽極から陰極へのメタノールのクロスオーバーによって減極される。それらはその上、そのクロスオーバーによる燃料利用の減少に悩まされる。それらは、陰極へのメタノールのクロスオーバーを減少させるために高価な選択透過性膜の使用を必要とする。そのような膜は、高濃度のメタノールを含有する液体において適切に作動せず、従って陽極燃料濃度は、電池のエネルギー密度を減少させるような、かなりの量の水を含まなくてはならない。これらの欠点の結果として、直接メタノール燃料電池は広く使用されていない。] [0012] Xiaoming Ren(9th Annual International Symposium:Small Fuel Cells 2007;March 9,2007;Knowledge Foundation)は、とりわけエタノール、メタノール、エチレングリコール及びグリセロールを含む様々な陽極燃料と一緒に「プラチナフリー」陽極触媒を利用したActa S.p.Aによって開発されたアルカリ燃料電池を報告した。この著者は、陽極燃料として水中で10%水酸化カリウムにおける10%エタノールを、陰極燃料として環境大気を使用し、室温で28mW/cm2及び80℃で145mW/cm2を産生した燃料電池を報告した。しかしながら、その電池は、その構造の一部として高価な選択透過性膜を含んでいた。この燃料電池は安価な物質は使用していない。] [0013] Finkelshtainらは、陽極及び陰極触媒として遷移金属-導電性ポリマー触媒を使用し、陽極燃料及び陰極燃料としてそれぞれ水中での30%メタノール及び未知燃料を使用した、Medis EL Ltd.によって開発された燃料電池の簡潔な記載を報告した(米国公開公報第U.S.2003/0008199号)。この燃料電池は、選択透過性膜を含んでいなかった。著者らは、結果として得られた燃料電池が「数時間25から30mW/cm2のパワー密度」を産生したことを主張している。作動温度及び実際のデータは開示されていなかった。しかしながら、この燃料電池はその陽極及び陰極の両者でプラチナを使用していた。この燃料電池は、安価な物質を使用しておらず、そのパワーパーフォーマンス及び陰極燃料の詳細は開示されていなかった。] [0014] Medis TechnologiesLTDもまた、携帯電話を再充電及び/若しくは電力を供給するために恐らく使用され得る燃料電池を商品化していた。それらの燃料電池は直接ホウ化水素ナトリウムとして分類されていた一方、Medisから直接購入したユニットの分解及び解析によって、それらは水素陽極燃料がホウ化水素の無制御加水分解によって運搬されるアルカリ燃料電池であることが明らかになった。これらの燃料電池は、その燃料電池の購入価格が陽極に含有されたプラチナの費用よりも安くなるまで、それらの陽極中に相当量のプラチナを含んでいた。そのパワーのいくらかの部分は、酸化マンガン陰極触媒の定電流還元から生じるように見える。加えて、その電池はそれらが自然に産生する水素ガスを扱わず、それらは重大な安全リスクをもたらす。これらの電池は安価な物質を使用せず、現在販売されているが安全ではない。] [0015] 携帯用パワーシステムはこれからの市場になると考えられ、様々な燃料電池システムが商業的適用されるようになるであろう。しかしながら、選択透過性膜ベース(つまり、プロトンなどの特定のイオン種に選択的である電解質膜)のみが、携帯、PDA's及びラップトップを充電するために使用され得る携帯用パワーシステムに対して必要とされるパワー密度を提供できる。けれども、そのような選択透過性膜燃料電池システムは、(選択透過性膜の高コストによる)高コスト、大量の高価な触媒物質(Pt或いはRuなど)の必要性、及び触媒を汚染する一酸化炭素及び他の中間化学種の産生による短い寿命の問題に悩まされる。アルカリ燃料電池は、電解質溶液と炭酸塩を形成し、炭酸塩の沈殿によって選択透過性膜を詰まらせる一酸化炭素による短い寿命に悩まされる。従って、必要なパワー密度は達成できるが選択透過性膜を欠く携帯用パワー適用に対する燃料電池へのニーズが存在する。] [0016] 膜を欠くプロトタイプ電池を作るそのような1つの試みがVerma及びBasu(J.Power Sources 145:282-285,2005)において報告された。Verma及びBasu著者らは、陰極フラッディングを避けるために水平方向での陰極の移動や注意深い設置を必要としない固定卓上電池においてメタノール及びエタノールを燃料として使用しようと試みた。しかしながら、そのようなデザインは陽極での一定な撹拌を必要とし、液体電解質/燃料混合物におけるあらゆる振とうは陰極をフラッディングさせるので移動させることができず(すなわち携帯性がない)、エタノールに対する電流密度は1分間の実行時間のみでせいぜいわずか2mA/cm2であった。] [0017] 従って、より長期間のパワーと2mA/cm2以上の電流密度を提供する、高価でない物質を用いてより信頼できる燃料電池を設計するための、燃料電池技術におけるニーズが存在している。本発明の開示はこれらの目的を達成するためになされたものである。] 発明の効果 [0018] 本発明の開示は、膜を含まず、高い電流及びパワー密度を有し、触媒を再生するための停止なしに連続して稼働することができる燃料電池デザインである。さらに、本発明の開示は、選択透過性膜を含まないデザインを用いて10mA/cm2以上の電流密度を提供することができる燃料電池デザインを確定した。特に、本発明の開示は、膜を欠く燃料電池を提供し、 (a)陽極チャンバー及び陰極チャンバーを持つ密閉燃料電池であって、前記陽極チャンバーは、チャンバー間の液体及びイオンの自由な移動を可能にする機械的/電気的多孔質セパレータによって前記陰極チャンバーから分離されているものである、密閉燃料電池、 (b)その上に触媒及び燃料と電解質の混合物を持つ陽極電極を有する陽極チャンバー、及び (c)その上に触媒及び酸素ガス或いは空気を持つ疎水性コーティング陰極電極を有する陰極チャンバー、を有し、 前記陽極電極及び陰極電極は、電流用のリード線と電気的に接続されており、前記密閉燃料電池は、少なくとも10mA/cm2を産生することができるものである。] [0019] 好ましくは、前記燃料電池は、少なくとも15mA/cm2、或いは少なくとも20mA/cm2、或いは少なくとも25mA/cm2、或いは少なくとも30mA/cm2、或いは少なくとも35mA/cm2、或いは少なくとも40mA/cm2、或いは少なくとも1A/cm2の電流密度を産生することができる。好ましくは、前記陽極電極における触媒は、わずか1mg/cm2の密度で存在する。好ましくは、前記燃料電池は100mV/時間以下の電圧減衰率を有するものであり、好ましくは、前記燃料電池は連続作動で約50μV/時間の電圧減衰率を有するものである。好ましくは、前記燃料電池は、あらゆる方向で、若しくはバッチシステムに注入或いは添加される燃料/電解質混合物と共に作動可能である。好ましくは、前記燃料電池パワー密度アウトプットは、少なくとも2mW/cm2である。好ましくは、前記燃料電池は、2時間以上、より好ましくは200時間以上、より好ましくは500時間以上、及び最も好ましくは1000時間以上連続して稼働することができる。] [0020] 好ましくは、前記燃料混合物は、約5%(容量で)から約100%(容量で)の濃度でアルコール、ホウ化水素、ヒドラジン或いはポリ-アルコール、若しくはアルコールの混合物を有するものである。より好ましくは、アルコール或いはポリアルコールの濃度は、容量で約10%から約50%である。好ましくは、前記燃料混合物はさらに電解質を有し、ここにおいて前記電解質は、塩基、酸、非水性塩基、非水性酸からなる群から選択されるものである。より好ましくは、前記電解質は水性塩基であり、pHはアルコールを完全にイオン化するのに十分な高さである。より好ましくは、前記燃料はエタノール或いはメタノールである。好ましくは、前記コーティング電極陰極は、ポリアミド、ポリイミド、フルオロポリマー、有機置換シリカ、有機置換チタニア及びそれらの組み合わせからなる群から選択された疎水性ポリマーによってコーティングされるものである。] [0021] 好ましくは、前記燃料電池は、40℃以下の温度で、より好ましくは約20℃から約40℃の温度で作動する。] [0022] 本発明の開示はさらに、陰極及び陽極を分離するための選択透過性膜、及び電池に関連した付随酸化還元反応剤を欠く燃料電池を提供する。より特異的には、本発明の開示は、 (a)燃料混合物、陽極電解質及び陽極触媒を有する陽極コンパートメントであって、ここにおいて前記燃料は水性であり、電解質と混合されており、前記陽極電極はそこに埋め込まれた触媒粒子を持つ基板電極であるものである、陽極コンパートメント、 (b)導電性及びコーティング電極陰極である、空気吸入口を持つ陰極コンパートメントであって、ここにおいて前記陰極電極コーティングは疎水性であり、触媒物質はさらに前記導電性コーティング陰極電極内に埋め込まれているものである、陰極コンパートメント、及び (c)水性液体及び電解質イオンの自由な移動を可能にする陽極及び陰極の間に設置された多孔質セパレータ、を有する燃料電池を提供する。好ましくは、疎水性物質でコーティングされた前記導電性陰極電極は、陰極のフラッディングを防ぐ。] [0023] 好ましくは、前記燃料混合物は、約5%(容量で)から約50%(容量で)の濃度でアルコール或いはポリ-アルコールを有するものである。最も好ましくは、前記燃料はエタノール或いはメタノールである。好ましくは、前記コーティング陰極電極は、ポリアミド、ポリイミド、フルオロポリマー、有機置換シリカ、有機置換チタニア及びそれらの混合物からなる群から選択された疎水性ポリマーによってコーティングされている。好ましくは、前記多孔質セパレータは、多孔性セラミック、グラスファイバー或いは織多孔質シートである。] [0024] 本発明の開示は、燃料電池アセンブリに対する改良産生量を統合アセンブリへと提供し、MEAs(膜電極アセンブリ群)の特性及び選択透過性膜-ベース燃料電池の特性である密閉及び圧縮を避ける、選択透過性膜燃料電池に対するセパレータ電極アセンブリ(SEA)を提供するものである。特に、本発明の開示は、チャンバー内に設置された複数の多層サンドイッチアセンブリを有するセパレータ電極アセンブリ(SEA)を提供し、ここにおいて各多層サンドイッチアセンブリは、 (a)一次及び二次面を持つ実質的にフラットで実質的に平面な陽極であって、ここにおいて、前記一次面は燃料のリザーバーと連結しており、これはフラットで平面な多孔性セパレータと一面で連結しており、その結果、フラットで平面な陰極と連結しているものである、陽極、 (b)比較的スムーズな液体及び電解質の通過を可能にする、一次面及び二次面を持つ実質的にフラットで実質的に平面な多孔質セパレータであって、前記多孔質セパレータの一次面は前記陽極の二次面と連結しているものである、多孔質セパレータ、及び、 (c)一次及び二次面を持つ実質的にフラットで実質的に平面な陰極であって、ここにおいて、前記一次面は前記多孔質セパレータと連結しており、前記二次面は空気或いは酸素ガス源と連結しており、ここにおいて前記陰極はさらに疎水性コーティングを有するものである、陰極、を有しており、 ここにおいて、前記チャンバーは、各陰極の二次面と連結した各陽極の一次面及び空気或いは酸素ガスと連結した液体燃料を持つ密閉チャンバーを有するものである。] [0025] 好ましくは、前記チャンバーは、メルトフロー条件下で形成された円周熱可塑性アセンブリで形成されるものである。選択的に、前記SEAはさらに、統合アセンブリを形成するために両極性プレートに密閉されている。] 図面の簡単な説明 [0026] 図1は、本開示の好ましい実施形態に対する電池分極曲線を図示したものであり、前記陽極はニッケル発泡体へプレスされたカーボン粒子上に固定化されたパラジウムナノ粒子から成り、前記陰極はカーボン発泡体へプレスされたコバルト及びカーボン粒子から成り、前記電解質は水中で10パーセント水酸化カリウムであり、前記燃料は10パーセントエタノールであり、前記陰極反応剤は周囲空気である。選択透過性膜は前記燃料電池において使用されていない。データより、約44mW/cm2のピークパワー密度、或いは優れた選択透過性膜レス燃料電池アウトプットが示された。図1はさらに、電流が増加した場合の電圧を示している。これらのデータは、気圧が海面位で14.7psiであるのに対して11.68psiである高高度位置で得られたものであった。 図2は、好ましい実施形態に対する電池電圧を図示したものであり、前記陽極はニッケル発泡体へプレスされたカーボン粒子上に固定化されたパラジウムナノ粒子から成り、前記陰極はカーボン発泡体へプレスされたコバルト及びカーボン粒子から成り、前記電解質は水中で10パーセント水素化カリウムであり、前記陽極反応剤は10%エタノールであり、前記陰極反応剤は周囲空気である。図2の燃料電池は、図1における膜レス燃料電池と同じ配置であるが、約1000時間、(あらゆる触媒再生なしで)連続的に稼働する50mA/cm2一定電流密度で稼働するものである。本発明の仮出願明細書の出願時に、この燃料電池は、3746時間の連続作動を達成していた。これらのデータは、気圧が海面位で14.7psiであるのに対して11.68psiである高高度位置で得られたものであった。 図3は、好ましい実施形態に対する電池電圧及びパワー、及び電池分極曲線を図示したものであり、前記陽極はニッケル発泡体へプレスされたニッケル、亜鉛及びパラジウム粒子から成り、前記陰極はカーボン発泡体へプレスされたコバルト及びカーボン粒子から成り、前記電解質は水中で10パーセント水酸化カリウムであり、前記陽極反応剤は10パーセントエタノールであり、前記陰極反応剤は周囲空気である。データは、どの電極が劣化を示すか決定するためのパワー密度、及び陽極及び陰極ポテンシャルを示している。これらのデータより、好ましい実施形態の燃料電池は陰極限定であることが示された。これらのデータは、気圧が海面位で14.7psiであるのに対して11.68psiである高高度位置で得られたものであった。 図4は、2つの異なる燃料電池構造に対する比較曲線を図示したものである。黒色四角形は、選択透過性膜(膜はOH-水酸基イオン交換選択透過性膜である)を有する商業的陽極及び商業的陰極であった。三角形曲線は本発明の開示に従った「選択透過性膜なしのNDC修飾陰極電極」であった。これらの比較データより、本開示の分離電池アセンブリ(SCA)を用いた本開示の燃料電池構造は、従来の選択透過性膜-ベース燃料電池と同等のパワー密度を産生することが示された。それにも関わらず、SCAを有する本開示の燃料電池構造は、従来の選択透過性膜-含有燃料電池と比べて有意に長期間、(触媒を再生する必要なしに)連続的なパワーアウトプットを提供することができた。これらのデータは、気圧が海面位で14.7psiであるのに対して11.68psiである高高度位置で得られたものであった。 図5は、前記分離電池アセンブリ(SCA)を持つ本開示の燃料電池の概略図を示したものである。特に、前記燃料及び燃料リザーバーは、前記陽極の左に位置しており、電解質と混合された液体燃料を持つチャンバーを有するものである。前記陽極はそれ自体多孔質であり、SCAの一部を有するものである。前記陽極は多孔質セパレータの一面を挟み、これは液体及びガスが両多孔質構造(陽極電極及び多孔質セパレータ)を自由に通過することを可能にしている。前記SCAの他面は、前記多孔質セパレータ面上に微小孔層(MPL)を持つ陰極電極である。] 図1 図2 図3 図4 図5 [0027] 定義 本明細書内で使用される「出力密度」とは、mW/cm2の計算を指し、このときワット(W)はアンペア×電圧である。面積(cm2で表示)は、本開示の燃料電池内の陽極または陰極のうちの小さい方から計算される。本開示の燃料電池は、室温において、上述においては達成されたことのない10mW/cm2を超え、好ましくは15mW/cm2を超え、より好ましくは20mW/cm2を超え、さらに好ましくは25mW/cm2を超える出力密度を達成した。] [0028] 「触媒添加量」とは、前記陽電極または(陽極または陰極の)単位面積当たりの電極に添加された触媒材料の重量を指す。] [0029] 本開示は、前記陽極と陰極との間に選択透過膜またはその他の化学的バリアを含まない燃料電池を提供する。選択透過膜、特にナフィオン(登録商標)などの陰イオン性の過フッ化スルホン酸の選択透過膜は燃料電池のかなりのコストを占めるので、本開示は、前記選択透過膜のコストを排除することによって燃料電池の構成要素のコストを大幅に削減するという利点を提供する。一般的な燃料電池は、陰極を収容する陰極区画と、陽極を収容する陽極区画と、前記2つの区画を分離する膜とからなる。前記選択透過膜は通常、選択透過性のイオン交換膜であり、アルカリ燃料電池の場合、前記選択透過膜は水酸化イオンおよび水を伝導する。前記陽極および陰極は、有用な仕事を発生させる負荷を通過することもできる外部導体によって接続されている。一般的に、各区画は、前記電極を浸す電解液を収容している。場合によっては、燃料電池は、液体ではなく気相の1若しくはそれ以上の燃料を用いることがある。これらの場合、その適切な電極は、通常前記気体燃料と前記電解液との間の物理的な界面に位置している。] [0030] 本開示における燃料電池は、 (a)混合燃料と、陽電極と、陽極触媒とを有する陽極区画であって、前記燃料は水溶性であって電解液と混合されており、前記陽電極はその中に触媒粒子が埋め込まれた基板電極(好ましくはこの基板はカーボン紙である)である、前記陽極区画と、 (b)吸気口と導電性の被覆された陰電極とを有する陰極区画であって、前記陰電極の被覆は疎水性であり、前記導電性の被覆された陰電極中には、触媒材料がさらに埋め込まれている、前記陰極区画と、 (c)前記陽極と前記陰極との間に位置し、水溶性の液体の自由な動きを可能とする多孔質セパレータとを有する。好ましくは、前記導電性の陰電極を被覆する疎水性材料は、前記陰極の浸水を防止する。] [0031] 主要な構成要素は、好ましくは前記多孔質セパレータに隣接した疎水性の微孔質層(microporous layer:MPL)を有する前記被覆された導電性陰極である。前記陰極のMPL層は、例えばテフロン(登録商標)(PTFE)乳濁液などのフルオロポリマー混合物の中にカーボン紙を浸すことによって作製できる。浸した後、前記ポリマーはそのガラス転移温度(347°F)まで焼結または加熱され、前記導電性の疎水性カーボン紙が作製される。噴霧加工によって、またはエアブラシの使用によって前記陰極触媒が添加される。] [0032] さらなる実施形態において、前記陽極または前記陰極はフルオロカーボン層を有するカーボン紙からなり、前記陰極に疎水層を提供して陰極浸水を防止すると同時に、空気中の酸素を可溶化して酸素だめを提供する。好ましいフルオロカーボン層はPTFE(テフロン(登録商標))である。このような陰極においては、先ずMnO2触媒を前記陰極としてカーボン紙に付着させ、次にそのシート全体を溶解したPTFE溶液中に浸液させる。] [0033] 本開示の燃料電池は、前記触媒の選択性の故に動作できる。例えば、前記電池は、その燃料として10%(2%〜25%の範囲)のKOH(またはその他のアルカリ電解液)電解液(約2M〜約3M)中に短鎖アルコールを使用し、前記陽極側にパラジウム触媒を使用し、前記陰極側にコバルト(酸化物)触媒を使用する。このような燃料電池は、cm2面積当たり約44mWまたは触媒/電極のcm2当たり約44mAの安定した電力出力を生成できる。] [0034] 本燃料電池は、一つには、前記陽極と陰極間の前記選択透過膜またはその他の化学的バリアの不在によって特徴付けられる。前記陽極触媒および陰極触媒がこれらの燃料およびその支持電解液と共に選択されることにより、前記陽極燃料および陰極燃料並びに前記燃料電池の電解液が実質的な化学反応を起こさずに混ざり合うことができるので、この選択透過膜の除去が可能となる。その結果、前記陽極燃料の酸化および前記陰極燃料の還元は、それぞれ前記陽極および陰極においてのみ、実質的な程度で発生する。さらに、前記陽極触媒および陰極触媒は選択的なので、前記陽極反応は前記陰極燃料(O2)の存在による悪影響を受けず、前記陰極反応は前記陽極燃料(前記アルコールまたはポリアルコール)の存在による悪影響を受けない。前記陽極触媒および陰極触媒のこれらの特徴もまた、前記膜の除去を可能とする。] [0035] 好ましい実施形態において、前記陽極燃料および陰極燃料は、入手の可能性、コスト、安全性、またはその他の要因に基づいて、その特定の用途に最も適した分類の燃料の中から選択される。次に、前記陽極触媒および陰極触媒は、以下の多くの基準を用いて選択される。 (i)前記陽極触媒は、前記陰極触媒および触媒燃料と併せて使用したときに、前記用途に望ましいセル電圧および電流を生成する電位および速度で前記陽極燃料を酸化させ、 (ii)前記陰極触媒は、前記陽極触媒および陽極燃料と併せて使用したときに、前記用途に望ましいセル電圧および電流を生成する電位および速度で前記陰極燃料を還元し、 (iii)前記陽極触媒および陰極触媒は、十分な量で前記用途に適した経済性で入手可能であり、 (iv)前記陽極燃料との前記陽極触媒反応および前記陰極燃料との前記陰極触媒反応は、それぞれ前記用途に望ましい時間および/または動作周期に適した電圧および速度に維持できる。] [0036] 次に、以下の多くの基準を用いて、前記電解液(一般的には電解質塩および支持溶媒を含む)が選択される。 (i)前記電解液は、所望のセル電位および電流を支持するのに十分なイオン伝導率を有し、 (ii)前記電解質塩および溶媒は、前記電極とそれらに対応した燃料との間の反応と干渉せず、あるいは前記電極を腐蝕させず、 (iii)前記電解液は、十分な量で前記用途に適した経済性で入手可能であり、 (iv)前記電解液とそれに対応する燃料との間の界面に電極が配置されている場合、前記電解液は、陽極集電板または陰極集電板が浸水しないように、これら集電板に合わせ、および/または適切な気体燃料圧に合わせることができる。] [0037] 例えば、前記所望の用途として、携帯電話機用リチウムイオン電池のトリクル充電が選択される。前記陽極燃料としては、その入手の容易性、携帯性、安全性、および低コストの故にエタノールが選択され、前記陰極燃料としては、その入手が容易であり周囲空気の成分として低コストであることから酸素が選択される。続いて、前記陽極触媒としては、標準カロメル電極に対して約−0.5Vでアルカリ性媒体中のアルコールを酸化させることで知られるパラジウムが選択される。コバルトはカロメル水素電極に対して約+0.5Vで酸素を還元することで知られているので、前記陰極触媒として選択される。世界の年間鉱業生産量のデータに基づけば、双方の触媒は前記用途に十分な量が入手可能である。] [0038] もしくは、本燃料電池は、陽電極と、電解液を収容する単一の区画と、燃料と、陰極反応物とを有してもよく、前記陽電極および陰電極は、電極の電位を維持するために液体を自由に通過させる機械的セパレータまたは多孔質セパレータによって物理的に分離されていてもよい。好ましくは、前記セパレータは多孔質のポリエーテルエーテルケトンまたはPEEKからなる。] [0039] 本開示の燃料電池は、一つには、前記陽極と陰極間の選択透過膜またはその他の化学的バリアの不在によって特徴付けられる。前記陽極触媒および陰極触媒がこれらの燃料およびその支持電解液と共に選択されることにより、前記陽極燃料および陰極燃料、並びに前記燃料電池用電解液が実質的な化学反応を起こさずに混ざり合うことができるので、この選択透過膜の除去が可能となる。その結果、前記陽極燃料の酸化および前記陰極燃料の還元は、他方の燃料の干渉を受けずにそれぞれ前記陽極および陰極においてのみ、実質的な程度で発生する。] [0040] 選択透過膜無し燃料電池の加工 本開示は、選択透過膜を有さない燃料電池を提供する方法および装置を提供する。従って、必要な出力密度を有する選択透過膜無し燃料電池を製造する本開示の工程は、商用用途に必要な程度に独立して反応する触媒および燃料の使用に依存する。例えば、第1の実施形態において、燃料電池は、アルカリ性電解液中に分散したエタノール燃料と共に組み立てられたパラジウムを基材とした陽極と、コバルトを基材とした陰極とを有する。その結果として得られる燃料電池の動作速度に拘らず、前記アルカリ性電解液中の前記陰極用の酸素燃料の存在は、前記陽極の動作に明らかな影響を与えず、従って、前記陽極触媒は、前記陰極とは無関係に前記陽極燃料と反応する。] [0041] もしくは、第2の実施形態は、酸性電解液中に溶解した水素燃料と共に組み立てられたプラチナを基材とする陽極と、コバルトを基材とする陰極とを有する燃料電池である。その結果得られる燃料電池は、次に、陰極燃料である酸素の全てが前記陰極で消費され、前記電解液に入らず、前記陽極反応と明らかに干渉しないような方法で動作する。その結果、前記陽極触媒は、前記陰極とは無関係に前記陽極燃料と反応する。10時間未満の動作時間が要求される非常に短期間の商用用途をはじめ、場合によっては、前記陰極が前記陰極燃料の全てを消費せず、陰極燃料の一部の前記電解液中への溶解が発生する装置に関して、この燃料の陰極における消費を使用して前記電池の減極が回避される。これらの場合において、このような前記陰極燃料の溶解およびそれに続く前記陽極での反応から生じる電池の明らかな減極は前記電池の動作時間よりも長い時間に亘って起こるので、前記減極は、前記電池の商用としての性能にはほとんどあるいは全く影響しない。] [0042] 本開示の液体燃料電池は、アルコール類、ポリアルコール類、メタノール、エタノール、エチレングリコール、グリセロール、およびこれらの組み合わせ、およびホルムアルデヒドのようなアルデヒド類などの様々な種類の燃料によって動作できる。その燃料濃度は0.5〜20Mである。アルカリ性電解液が使用されている。その動作温度は室温から80℃の間である。本燃料電池は、好ましくは大気圧で動作し、寄生電力消費を低減する。液体燃料を供給する一方法は、連続供給、投与量供給、デッドエンド(パッシブモード)供給である。給気の方法は、強制空気流または通気(パッシブモード)の何れであってもよい。] [0043] 触媒の組成および構造 本開示は、プラチナ、パラジウム、ニッケル、銅、銀、金、イリジウム、ロジウム、コバルト、鉄、ルテニウム、オスミウム、塩化マンガン、モリブデン、塩化クロム、タングステン、バナジウム、ニオブ、チタン、インジウム、すず、アンチモン、ビスマス、セレン、硫黄、アルミニウム、イットリウム、ストロンチウム、ジルコニウム、マグネシウム、リチウム、およびこれらの酸化物を含む広範な種類の陽極触媒を収容する燃料電池をさらに提供する。前記陽極触媒は、好ましくは、二成分混合物または二元合金として、三成分混合物または三元合金として、四成分混合物または四元合金として、またはより多くの成分の混合物または合金として、それらの純粋な形である。もしくは、前記陽極触媒は、酸化物として、硫化物として、亜リン酸を基材とした配位子、硫黄を基材とした配位子、またはその他の配位子を含む配位化合物の金属中心として、それらの酸化した形である。もしくは、前記陽極触媒は、炭素粉などの導電性媒体中に存在する。] [0044] 好ましい実施形態において、本開示は、少なくとも1つの寸法が100ナノメートル未満の長さの粒子に形成された、純粋な若しくは分散した形のこのような元素、またはこれらの合金および混合物、またはこれらの酸化物、硫化物、若しくは配位化合物を基材とした陽極触媒を収容する燃料電池を提供する。このような粒子は、炭素粉上に固着した直径5ナノメートルのパラジウムのナノ粒子のように事実上球状であってもよく、直径2ナノメートルで長さ10ミクロンのパラジウム被覆された炭素棒のような他の構造および形態であってもよい。このような粒子は、種々のアスペクト比、構造、および組成を有するその他の粒子の混合物であってもよい。このような粒子は、前記陽極支持体上に電気メッキすることで作製できる。] [0045] 本開示は、プラチナ、パラジウム、ニッケル、銅、銀、金、イリジウム、ロジウム、コバルト、鉄、ルテニウム、オスミウム、塩化マンガン、モリブデン、塩化クロム、タングステン、バナジウム、ニオブ、チタン、インジウム、すず、アンチモン、ビスマス、セレン、硫黄、アルミニウム、イットリウム、ストロンチウム、ジルコニウム、マグネシウム、リチウム、および類似の元素を含む広範な種類の陰極触媒を収容する燃料電池を、さらに提供する。このような元素を基材とした前記陰極触媒は、二成分混合物または二元合金として、三成分混合物または三元合金として、四成分混合物または四元合金として、およびより多くの成分の混合物または合金としてそれらの純粋な形である。このような元素を基材とした陰極触媒はまた、酸化物として、硫化物として、および酸素を基材とした配位子、窒素を基材とした配位子、亜リン酸を基材とした配位子、硫黄を基材とした配位子、またはその他の配位子を含む配位化合物の金属中心としてそれらの酸化した形の合金および混合物でもある。このような元素を基材とした前記陰極触媒は、それらの純粋な形の、または何らかの方法で炭素粉などの導電性媒体中に物理的および/または化学的に分散した合金および混合物である。このような元素を基材とした前記陰極触媒は、少なくともその1つの寸法の長さが100ナノメートル未満である粒子に形成された、それらの純粋なまたは分散した形の合金および混合物、またはそれらの酸化物、硫化物、または配位化合物である。このような粒子は、炭素粉上に固着した直径5ナノメートルのパラジウムのナノ粒子のように事実上球状であることができ、または直径2ナノメートルで長さ10ミクロンのパラジウムで被覆された炭素棒のように他の構造および形態であることもできる。このような粒子は、様々なアスペクト比、構造、および組成を有する他の粒子の混合物であることができる。このような粒子は、前記陰極支持体上に電気メッキによって作製できる。] [0046] 一実施形態において、前記陰極は、前記触媒材料としての炭素上にMnO2で作られている。前記触媒材料が炭素電極上に添加され、次にPTFEで被覆されている。前記触媒は、過マンガン酸カリウム(KMnO4)、炭素(マサチューセッツ州Billerica市のCabot Corp.社製Vulcan X72R)、およびdI(脱イオン)水を共に添加することによって作製した。炭素粉の一定分量を60℃程度のdI水に攪拌しながら添加してスラリーを作製した。一定分量のKMnO4を懸濁液に加えた。pHを調節し(pH7まで硫酸を加える)、室温でスラリーを攪拌した。pH調節後、過マンガン酸によって前記炭素を酸化することで、前記炭素粉上の二酸化マンガン触媒が生成されるであろう。前記懸濁液をろ過し、dI水で洗浄し、次に80℃で終夜乾燥させて乾燥粉末を形成した。前記乾燥粉末は、ボールミル内で細粉に粉砕する。X線およびEDXによる分析では、前記MnO2触媒材料中に不純物は検出されず、5〜20重量%のMnが見られた。] [0047] 微孔質層(アルコール中のPTFE)を噴霧塗布したカーボン紙上に前記細粉を塗布する。カーボン紙電極のPTFE処理のために、60%(w/v)のPTFE溶液を5%(w/v)に希釈した。カーボン紙をこの5%溶液に1分間浸し、余剰の5%PTFE溶液を取り除いた。前記浸漬されたカーボン紙を室温で終夜、乾燥架の上に置いた。前記乾燥した被覆カーボン紙を110℃の乾燥器内に少なくとも30分間置き、次に少なくとも45分間、温度を350℃に上昇させた。この手順を繰り返すが、この時点では前記PTFEの5%溶液を含浸させることがより困難なので、前記紙を前記PTFEの5%溶液により長い時間浸す。前記カーボン紙を透過しないように、EtOH(水中の50〜70%溶液)をスポッティングして品質を確認する。] [0048] 好ましい実施形態において、前記陽極は、炭素触媒(BASF製)上にPdを使用し、この炭素触媒もまた炭素(マサチューセッツ州Billerica市のCabot Corp.社製Vulcan X72R)を使用する。 支持体 前記陽極および陰極は、多孔質の支持構造体で作られている。前記陽極支持体は、シート、発泡体、布、またはその他類似の導電性かつ多孔質の構造に作製された1若しくはそれ以上の導電材料を有する。前記支持体は、化学的に不活性であり、単に物理的に前記陽極触媒を支持し、それから電子を伝送することができ、および/または化学的または電気化学的に活性であり、前記陽極反応、燃料の前工程調整、陽極反応生成物の後工程調整、前記電解液などの液体の位置の物理的制御、および/またはその他同様に有用な工程の補助をすることができる。陽極支持体としては、例えば、ニッケル発泡体、焼結ニッケル粉、エッチングしたアルミニウムとニッケルの混合物、炭素繊維、および炭素布を挙げることができる。好ましくは、陽極支持体としてニッケル発泡体を使用する。] [0049] 前記陰極支持体は、シート、発泡体、布、またはその他類似の構造に作製された1若しくはそれ以上の導電材料を有する。前記陰極支持体は、化学的に不活性であり、単に物理的に前記陰極触媒を支持し、それに電子を伝送することができ、および/または化学的または電気化学的に活性であり、前記陰極反応、燃料の前工程調整、陰極反応生成物の後工程調整、前記電解液などの液体の位置の物理的制御、および/またはその他同様に有用な工程を補助することができる。陰極支持体としては、ニッケル発泡体、焼結ニッケル粉、エッチングしたアルミニウムとニッケルの混合物、金属ふるい、炭素繊維、および炭素布を挙げることができる。] [0050] 本開示の燃料電池は、前記陰極の浸水を制御するために事前処理された陽極支持体および/または陰極支持体を有する。例えば、好ましい燃料電池は、カーボン繊維紙のテフロン(登録商標)加工によって事前処理されたカーボン繊維からなる陰極支持体を収容している。簡単に述べれば、PTFEの所望の濃度(30〜60重量%)を作製し、使用前に少なくとも2時間、静かに攪拌した。前記カーボン繊維紙のテフロン(登録商標)加工は、前記カーボン繊維紙の紙片を前記PTFE溶液中に30秒間、平らに横たえ、前記カーボン繊維片が完全に浸されていることを確実にすることで実施した。30秒後、各片を溶液から取り出し、それらを約1分間滴らせた後、架台の上に横たえて室温で1時間乾燥させた。乾燥後、前記PTFE処理されたカーボン紙を335℃に設定した加熱炉内で15〜20分間焼結した。もしくは、カーボン紙上に微孔質層(microporous layer:MPL)を噴霧する方法もまた用いた。簡単に述べると、約140mgの事前処理された炭素粉を準備し、約1mLの水および0.2mLのTriton X−100を加えて溶液を作った。前記溶液を約30秒間、超音波処理した。前記溶液に約100mgの60重量%のPTFE溶液を加え、前記溶液を約10分間、さらに超音波処理したが、ほぼ半ばで停止し、前記溶液をガラス棒で混ぜた。前記(PTFEで処理された)カーボン繊維紙を、フード内で真っ直ぐに立つように基材に付着させた。前記インクを作製後、前記インクをエアブラシのボトル内に移し、カーボン紙上に薄く均一な層となるように噴霧し、次の層を塗布する前に各層が乾燥するための時間を設けた。前記インクを使い切るまでこの工程を継続した。前記噴霧塗布したカーボン紙を80℃の前記乾燥器内で30分間乾燥させた。乾燥後、噴霧され乾燥したカーボン紙片を、正方形のアルミニウム箔と、ローラーを2〜3回、その上に往復させることによって圧縮した前記MPLとの間に配置した。次に、前記カーボン紙を120℃に設定した前記乾燥器に10分間、その後、340℃に設定した加熱炉に15分間戻すことによって焼結した。この事前処理によって、前記単一の区画内に収容された前記電解液、溶媒、および陽極燃料が前記陰極を浸水せず、従って前記陰極触媒における酸素の還元と干渉しないように、また過去にもしなかった十分に疎水性の陰極支持体が提供された。] [0051] 陽極支持体に同様の事前処理を実行して、気体陽極燃料を使用する電池の電解液を同じように収容することができる。] [0052] これらの事前処理と共に、その物理的な向きとは無関係に動作する膜無し燃料電池を製造する方法を開示する。例えば、その単一区画内の液体上にその陰極を浮かせることで重力を利用してその陰極支持体を介した液体の流れを低減することによって前記陰極の浸水に対処する、燃料電池の劣った設計は、前記陰極が前記単一区画の下、または前記単一区画と水平になるように方向づけることができない。本開示は、事前処理された電極支持体を使用して前記陰極の浸水を制御する故に、任意の方向に方向づけることのできる燃料電池を提供する。 触媒の塗布の選択肢 前記陽極支持体に前記陽極触媒を塗布し、前記陰極支持体に陰極触媒を塗布する方法としては、例えば、スプレッド塗布、ウェットスプレー、粉末堆積法、電着、蒸着、ドライスプレー、転写法、塗装、スパッタリング、低圧化学気相蒸着法、電気化学的気相蒸着法、テープキャスティング法などが挙げられる。 セパレータ 本開示の燃料電池の主要構成要素は、単一区画内における前記電解液、溶媒、および任意の液体陽極燃料または液体陰極燃料の自由な動きを明らかに妨げることのない非導電性セパレータである。好ましくは、このセパレータは、前記単一区画内に存在する材料に対して化学的に不活性であり、前記単一区画内に存在する温度、圧力、および化学的条件に対して物理的に不活性である。前記セパレータのこの化学的かつ物理的な不活性性は、少なくとも前記燃料電池の望ましい寿命に亘って著しい。] [0053] 場合によっては、前記単一区画内の化学的または物理的環境に対するセパレータの不活性性の欠如が、前記燃料電池の最大寿命を決定し、または燃料電池の安全機構を構築するために使用される。例えば、燃料電池の100時間の動作後に前記陰極と陽極との間のイオン移動を著しく妨げるに至るまでの時間をかけて劣化するセパレータを使用して、前記電池の最大寿命を100時間に設定することができる。しかし、本開示の燃料電池は4000時間を超えても動作を継続している。] [0054] 別の例では、前記単一区画内の温度が40℃を超えると溶解し、前記陰極と陽極との間のイオン移動を著しく妨げるセパレータを使用して、前記電池の最大動作温度を40℃に設定できる。] [0055] セパレータの例としては、ポリマー、ガラス、雲母、金属酸化物、セルロース、セラミックなどの絶縁材料が挙げられる。このようなセパレータは、多孔質シートまたは均一の大きさの粒子として構成できる。好ましい実施形態において、前記セパレータは、前記陽極および陰極の縁部を囲む固定具であって、前記陽極および陰極を一定間隔に保持し、前記電解液、溶媒、および液体燃料が前記陽極と陰極との間に留まるように、これらを収容する収容シェルを前記電極間に提供することで、前記燃料電池の前記単一区画を構築する。] [0056] 好ましい実施形態において、前記セパレータとしてポリエーテルエーテルケトン(polyetheretherketone:PEEK)製の細目格子が使用されている。前記セパレータは、陽極触媒層と陰極触媒との間に配置されている。前記PEEK格子の縁部は、好ましくは事前に封止されているか、その電池シーリングと一体化しているかの何れかであり、過剰リークを防止する。好ましくは、前記PEEK格子の厚さは2〜3mmである。 燃料 本開示は、電池の所望の寿命に亘って前記電池の他の材料と明らかに干渉せず、所望の速度でその陽極または陰極においてそれぞれ酸化または還元される任意の燃料を使用する膜無し燃料電池を提供する。利用できる燃料の例としては、水素、メタノールおよびエタノールなどのアルコール類、金属水素化物、化学水素化物、アンモニア、天然ガス、メタン、プロパン、およびブタンなどの炭化水素類、エチレングリコールおよびグリセロールなどのポリアルコール類、ホルムアルデヒドおよびアセトアルデヒドなどのアルデヒド類、ジメチルエーテル、ヒドラジン、ガソリン、ディーゼル燃料、トリニトロトルエンおよびRDXなどのエネルギー物質、および生物燃料などが挙げられる。] [0057] このような燃料は、固体、液体、または気体として本開示の膜無し燃料電池内に導入され、カーボンナノチューブなどの構造体によって前記燃料電池内に運ばれ、前記電池内で水素化ホウ素ナトリウムなどの前駆物質から生成され、またはスラリー、溶液などの混合物として前記燃料電池内に運ばれる。このような燃料は、天然ガスからの改質のような他の燃料の化学的または物理的改質から、および/または水の電気分解による水素の生成のような電気化学的工程から得られる。前記燃料は、様々な濃度で、例えば前記単一区画に陽極燃料および/または陰極燃料を一度だけ充填することで前記燃料を提供することによって、前記燃料電池内に導入される。あるいは、例えば前記電池の寿命を通じて外気を前記陰極に通すことによって、1若しくはそれ以上の燃料が前記燃料電池に継続的に供給される。あるいは、1若しくはそれ以上の燃料は気体であり、圧縮されまたは水和される。あるいは、燃料電池のより高い性能が要求される場合、前記燃料電池のユーザーによって前記気体燃料または前記液体燃料が加圧される。例えば、携帯電話機のトリクル充電器として機能する燃料電池について、前記携帯電話機のユーザーは、前記陰極燃料、周囲空気を加圧する一方向弁を繰り返し押下し、前記陰極における酸素の還元の速度を加速させることで、前記燃料電池からの電流を上昇させ、前記携帯電話機の電池をより急速に再充電させることができる。] [0058] 好ましい燃料はエタノールである。しかし、混合アルコール燃料を使用することもできる。混合燃料内で使用できるその他の燃料としては、例えば短鎖アルコール類(エタノール、メタノール、プロパノール、およびイソプロパノールなど)、水素化ホウ素ナトリウム、およびヒドラジンがある。前記燃料としてエタノールを使用する場合、使用済み燃料は酢酸またはアセテートとなる。前記燃料としてメタノールを使用する場合、本開示の燃料電池はギ酸またはギ酸塩を生成する。同様に、プロパノールを使用する場合、プロピオン酸またはプロピオン酸塩が生成される。 電解液および溶媒 本開示は、前記陽極燃料および陰極燃料を混合しても独立して動作できるように前記陽極および陰極触媒/燃料装置を選択した燃料電池を提供する。前記燃料電池に使用する溶媒および電解液は、前記陽極および陰極触媒/燃料装置の電気活性に重大な影響を有する。前記溶媒および電解液は、これらの電気活性を促進し、前記電気活性に一切の影響を有さず、または前記電気活性を低下させる。例えば、エタノールは、アルカリ性の水溶性媒体中でパラジウムによって酸化される。この場合、本発明の燃料電池は、前記パラジウム触媒中のエタノールの酸化を促進する強塩基を含有する水溶媒を使用する。アルカリ性媒体中で動作できる陰極触媒/燃料装置の選定は、重要である。] [0059] 溶媒および電解液は前記陽極燃料と相互作用して、前記陽極におけるその燃料の電気活性を促進する。前記溶媒および電解液は前記陰極燃料と相互作用して、前記陰極におけるその燃料の電気活性を促進する。電解液の濃度は、1若しくはそれ以上の前記燃料の電気活性を促進し、前記電解液と1若しくはそれ以上の前記触媒との間の有害な相互作用を最小限に抑え、前記燃料電池のイオン伝導率および電流密度を最大化し、前記燃料電池の酸度またはアルカリ度(即ち安全に対する懸念)を最小限に抑えるように選択される。] [0060] 電解液の例としては、水酸化カリウム、NaOH、K2CO3、Na2CO3、NH4.OHのような塩基などの溶解塩、硫酸、スルホン酸などの酸、およびこれらの組み合わせが挙げられる。 種々の実施形態 一実施形態において、炭素ナノ粒子粉上の10%プラチナ5グラムをイソプロパノール中に分散させた。ニッケル発泡体の支持体に前記ペーストを押し付け、空気乾燥させて前記陽極を製造した。炭素粉中の10%コバルト5グラムを同様にイソプロパノール中に分散させた。炭素繊維支持体に前記ペーストを押し付け、空気乾燥させて前記陰極を製造した。前記両電極を両者間に挟まれた多孔質セパレータと共に配置し、両電極の触媒が両者間の前記セパレータの方を向くようにした。前記多孔質炭素繊維の陰極支持体の背面を周囲空気に露出させ、10%KOH中に10%メタノールを含有する燃料および電解液の混合物並びに水混合物を、前記電極間の前記多孔質セパレータで形成した区画内に導入した。リード線で前記陽極支持体を電気的負荷に接続した。別のリード線で前記電気的負荷を前記陰極支持体に接続した。前記燃料電池は、このとき動作を開始し、20〜60mW/cm2を供給した。しかし、Pt触媒は機能したものの、Ptほど高コストではなく同等以上の性能のその他の触媒装置が存在する。] [0061] 好ましい実施形態において、炭素ナノ粒子上の10%Pd2.5グラムおよび10%酸化チタンナノ粒子粉末2.5グラムをイソプロパノール中に分散させた。前記ペーストを炭素繊維支持体に押し付け、空気乾燥させて前記陽極を製造した。同様に、炭素粉中の10%MnO25グラムをイソプロパノール中に分散させた。前記ペーストを炭素繊維支持体に押し付け、空気乾燥させて前記陰極を製造した。前記両電極を両者間に挟まれた多孔質セパレータと共に配置し、両電極の触媒が両者間の前記セパレータの方を向くようにした。前記多孔質炭素繊維の陰極支持体の背面を周囲空気に露出させ、前記電極間の前記多孔質セパレータで形成された前記区画内に、10%硫酸中に10%メタノールを含有する燃料および電解液の混合物並びに水混合物を導入した。リード線で前記陽極支持体を電気的負荷に接続した。別のリード線で前記電気的負荷を前記陰極支持体に接続した。前記燃料電池は、このとき動作を開始し、20〜60mW/cm2を供給した。] [0062] 好ましい実施形態において、炭素ナノ粒子上の10%金2.5グラムおよび10%酸化チタンナノ粒子粉末2.5グラムをイソプロパノール中に分散させた。前記ペーストを炭素繊維支持体に押し付け、空気乾燥させて前記陽極を製造した。炭素粉中の10%コバルト5グラムを同様にイソプロパノール中に分散させた。前記ペーストを炭素繊維支持体に押し付け、空気乾燥させて前記陰極を製造した。前記両電極を両者間に挟まれた多孔質セパレータと共に配置し、両電極の触媒が両者間の前記セパレータの方を向くようにした。前記多孔質炭素繊維の陰極支持体の背面を周囲空気に露出させ、前記電極間の前記多孔質セパレータで形成された前記区画内に、10%硫酸中に10%メタノールを含有する燃料および電解液の混合物並びに水混合物を導入した。リード線で前記陽極支持体を電気的負荷に接続した。別のリード線で前記電気的負荷を前記陰極支持体に接続した。前記燃料電池は、このとき動作を開始し、20〜60mW/cm2を供給した。] [0063] 好ましい実施形態において、炭素ナノ粒子上の10%プラチナ4.5グラムおよび酸化ニッケルナノ粒子0.5グラムをイソプロパノール中に分散させた。前記ペーストを炭素繊維支持体に押し付け、空気乾燥させて前記陽極を製造した。炭素粉中の10%コバルト5グラムを同様にイソプロパノール中に分散させた。前記ペーストを炭素繊維支持体に押し付け、空気乾燥させて前記陰極を製造した。前記両電極を、両者間に挟まれた多孔質セパレータと共に配置し、両電極の触媒が両者間の前記セパレータの方を向くようにした。前記多孔質炭素繊維の陰極支持体の背面を周囲空気に露出させ、前記電極間の前記多孔質セパレータで形成された前記区画内に、10%硫酸中に10%メタノールを含有する燃料および電解液の混合物並びに水混合物を導入した。リード線で前記陽極支持体を電気的負荷に接続した。別のリード線で前記電気的負荷を前記陰極支持体に接続した。前記燃料電池は、このとき動作を開始し、20〜60mW/cm2を供給した。] [0064] 好ましい実施形態において、炭素ナノ粒子上の10%パラジウム4.5グラムおよび酸化ニッケルナノ粒子0.5グラムをイソプロパノール中に分散させた。前記ペーストを炭素繊維支持体に押し付け、空気乾燥させて前記陽極を製造した。炭素粉中の10%コバルト5グラムを同様にイソプロパノール(isopropanol:IPA)中に分散させた。前記ペーストを炭素繊維支持体に押し付け、空気乾燥させて前記陰極を製造した。前記両電極を両者間に挟まれた多孔質セパレータと共に配置し、両電極の触媒が両者間の前記セパレータの方を向くようにした。前記多孔質炭素繊維の陰極支持体の背面を周囲空気に露出させ、前記電極間の前記多孔質セパレータで形成された前記区画内に、10%硫酸中に10%メタノールを含有する燃料および電解液の混合物並びに水混合物を導入した。リード線で前記陽極支持体を電気的負荷に接続した。別のリード線で前記電気的負荷を前記陰極支持体に接続した。前記燃料電池は、このとき動作を開始し、20〜60mW/cm2を供給した。] [0065] 別の実施形態において、プラチナナノ粒子のアグロメレーションの還元を補助する配位した配位子で被覆された直径2nm未満の前記ナノ粒子5グラムをイソプロパノール中に分散させた。前記ペーストを炭素繊維支持体に押し付け、空気乾燥させて前記陽極を製造した。炭素粉中の10%コバルト5グラムを同様にイソプロパノール中に分散させた。前記ペーストを炭素繊維支持体に押し付け、空気乾燥させて前記陰極を製造した。前記両電極を、両者間に挟まれた多孔質セパレータと共に配置し、両電極の触媒が両者間の前記セパレータの方を向くようにした。前記多孔質炭素繊維の陰極支持体の背面を周囲空気に露出させ、前記電極間の前記多孔質セパレータで形成された前記区画内に、10%硫酸中に10%メタノールを含有した燃料および電解液の混合物並びに水混合物を導入した。リード線で前記陽極支持体を電気的負荷に接続した。別のリード線で前記電気的負荷を前記陰極支持体に接続した。前記燃料電池は、このとき動作を開始し、20〜60mW/cm2を供給した。この場合もやはり、Pt触媒は機能したが、Ptほど高コストではなく、同等以上の性能の他の触媒装置が存在する。] [0066] 好ましい実施形態において、10を超えるアスペクト比を有し、長い方の寸法が40nm未満で短い方の寸法が5nm未満の、プラチナナノ粒子のアグロメレーションの還元を補助する配位された配位子で被覆された、前記ナノ粒子5グラムをイソプロパノール中に分散させた。前記ペーストを炭素繊維支持体に押し付け、空気乾燥させて前記陽極を製造した。炭素粉中の10%のコバルト5グラムを同様にイソプロパノール中に分散させた。前記ペーストを炭素繊維支持体に押し付け、空気乾燥させて前記陰極を製造した。前記両電極を両者間に挟まれた多孔質セパレータと共に配置し、両電極の触媒が両者間の前記セパレータの方を向くようにした。前記多孔質炭素繊維の陰極支持体の背面を周囲空気に露出させ、前記電極間の前記多孔質セパレータで形成された前記区画内に、10%の硫酸中に10%のメタノールを含有する燃料および電解液の混合物並びに水混合物を導入した。リード線で前記陽極支持体を電気的負荷に接続した。別のリード線で前記電気的負荷を前記陰極支持体に接続した。前記燃料電池は、このとき動作を開始し、20〜60mW/cm2を供給した。この場合もやはり、Pt触媒は機能したものの、Ptほど高コストではなく、同等以上の性能の他の触媒装置が存在する。] [0067] 好ましい実施形態において、炭素ナノ粒子上の10%のコバルト2.5グラムおよび10%酸化ニッケルナノ粒子粉末2.5グラムをイソプロパノール中に分散させた。前記ペーストを炭素繊維支持体に押し付け、空気乾燥させて前記陽極を製造した。炭素粉中の10%コバルト5グラムを同様にイソプロパノール中に分散させた。前記ペーストを炭素繊維支持体に押し付け、空気乾燥させて前記陰極を製造した。前記両電極を両者間に挟まれた多孔質セパレータと共に配置し、両電極の触媒が両者間の前記セパレータの方を向くようにした。前記多孔質炭素繊維の陰極支持体の背面を周囲空気に露出させ、前記電極間の前記多孔質セパレータで形成された前記区画内に、10%硫酸中に10%メタノールを含有する燃料および電解液の混合物並びに水混合物を導入した。リード線で前記陽極支持体を電気的負荷に接続した。別のリード線で前記電気的負荷を前記陰極支持体に接続した。前記燃料電池は、このとき動作を開始し、20〜60mW/cm2を供給した。] [0068] 主要な構成要素は前記被覆された導電性陰電極である。前記陰極は、例えばカーボン紙をテフロン(登録商標)(PTFE)乳濁液などのフルオロポリマー混合物に浸すことによって作製できる。浸した後、前記ポリマーをそのガラス転移温度(347oF)まで焼結または加熱して前記疎水性カーボン紙が作製される。噴霧加工またはエアブラシの使用によって前記触媒を添加した。] [0069] 本開示の燃料電池は、前記触媒の選択性の故に動作する。例えば、10%(2%〜25%の範囲)のKOH電解液(約2M〜約3M)中の燃料として短鎖アルコールを使用する工程では、前記陽極側にパラジウム触媒が使用され、前記陰極側にコバルト触媒が使用される。このような燃料電池は、約20mW/cm2、40mW/cm2、20mW/cm2)、または60mW/cm2の安定出力を発生させることができる。 積層 本開示は、一体化したアセンブリ内に提供される燃料電池アセンブリの歩留まりを改善し、選択透過膜型の燃料電池の膜電極アセンブリ(memberane electrode assemblies:MEAs)特性のうちの封止および圧縮特性を回避する選択透過膜無し燃料電池のセパレータ電極アセンブリ(separator electrode assembly:SEA)を提供する。具体的には、本開示は、チャンバー内に位置する複数の複層差し込みアセンブリを有するセパレータ電極アセンブリ(Separator Electrode Assembly:SEA)を提供し、各複層差し込みアセンブリは、 (a)第1の面と第2の面とを有する実質的に平坦かつ実質的に平面な陽極であって、前記第1の面は、その一方の側が、平坦かつ平面な陰極と連通している平坦かつ平面な多孔質セパレータと連通している燃料槽と連通しているものである、前記陽極と、 (b)比較的妨げを受けずに液体の通過を可能とする、第1の面と第2の面とを有する実質的に平坦かつ実質的に平面な多孔質セパレータであって、この多孔質セパレータの前記第1の面は前記陽極の前記第2の面と連通している、前記多孔質セパレータと、 (c)第1の面と第2の面とを有する実質的に平坦かつ実質的に平面な陰極であって、前記第1の面は前記多孔質セパレータと連通し、前記第2の面は空気または気体酸素源と連通しており、前記陰極は疎水性被覆をさらに有するものである、前記陰極と を有し、 前記チャンバーは、各陽極の前記第1の面と連通している液体燃料と、各陰極の前記第2の面と連通している空気または気体酸素とを有する密閉チャンバーを有する。] [0070] 好ましくは、前記チャンバーは、溶融流れ状態で形成された周縁熱可塑性アセンブリで形成されている。優先的に、前記SEAはバイポーラ板にさらに封止されて一体化アセンブリを形成している。このような一体化アセンブリは、複数のSEAを積層することによって形成でき、SEA毎に加算される前記一体化アセンブリの電力出力を提供する。 具体的には、各SEAは、バイポーラ板を間に挟んで陽極の上に陰極を重ねて積層される。これによって、燃料/電解液がSEAの各陽極側に流れ、空気または酸素が各SEAの陰極側を流れる流路ができる。] [0071] 例えば、KOH中のエタノールを前記燃料/電解液として使用すると、このような積層装置が酢酸を生成するときの理論上の電力出力は、1.17Vと計算された。しかし、0.85V〜0.95Vの電力出力が達成された。前記燃料/電解液(さもなくば導電性である)のシリアルフロー、あるいはむしろ非パラレルフローに起因する短絡の低減によって、理論上の最大値と比較して高出力が達成された。] [0072] 好ましくは、前記バイポーラ板は、導入孔を除いて前記バイポーラ板を覆う、高分子膜、エナメルなどの電気的に絶縁性の被覆を使用する。流路はシリアルである。各バイポーラ板は、それぞれの面に絶縁被覆を有する両面シートである。前記燃料/電解液が前記バイポーラ板の一方の面(前記陰極に隣接した面、即ち「陰極側」)上を流れ、空気/酸素が他方の面(前記「陽極側」)上を(前記電解液/燃料の流路に)垂直方向に流れる。(前記燃料/電解液は導電性なので、)この流れの方向が表面積を最小化し、電解液開口部間の距離を最大化することにより、短絡損失が低減される。] [0073] この実施例は、陽電極の作製工程を提供する。本開示の選択透過膜無し燃料電池の陽電極は、陽極触媒を基板上に塗布することによって作製される。前記陽極触媒は、例えばメタルブラック、炭素支持金属、または金属合金であってよい。適切な金属の例として、Pt、Pd、Rh、Ru、W、Ir、およびこれらの組み合わせ、合金、または酸化物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。前記基板は、好ましくは導電性で、多孔質で、化学的/機械的に安定しており、非疎水性である。このような導電性で、多孔質で、化学的/機械的に安定した非疎水性の基板の例として、例えば、Ni発泡体、炭素発泡体、ステンレス鋼発泡体、炭素繊維紙、炭素布、およびこれらの組み合わせが挙げられる。] [0074] 本実施例は、陽電極の作製に使用する3つの方法を提供する。前記第1の方法は、触媒ペーストの方法である。前記第2の方法は、触媒インクの方法である。前記最初の2つの方法は、Ni発泡体基板を使用する。前記第3の方法は、炭素繊維紙を使用する。] [0075] 触媒インクの方法では、先ず、Pd触媒または金属酸化物を含むPd触媒を多フッ化ポリマー(例えばテフロン(登録商標))と直接混合した。約0.1mg/cm2〜約10mg/cm2の範囲の添加量の炭素支持Pd触媒(例えばBASF30%Pd)、Pdブラック触媒、または金属酸化物(例えば酸化すず)と事前混合されたPd触媒をアルコール溶液(例えばエタノール)中のPTFE(1〜70%)と混合する。具体的には、100mgのBASF社製の炭素支持された30%Pdを100mgの炭素支持された金属酸化物(例えば10%CoOx/C)と混合した。次に、20mlの95%エタノールを加え、前記混合物を30分間、振とうおよび超音波処理した。次に、前記懸濁液を40〜90℃の温度で濃縮して、よく混合されたPd/CおよびCoOx/Cの固体を得た。この固体混合物に、結合剤として0.5%PTFEを含有する約1mLの(その最終ペースト状生成物のより良いちょう度を形成する)適量の95%エタノールを前記混合物に加えて、慎重に攪拌した。次に、前記得られた均一な触媒ペーストを5cm2のニッケル発泡体基板上に散布した。前記ニッケル発泡体基板上のPdの推定添加量は6mg/cm2であった。使用するPd/CおよびCoOx/Cの量を調整することで、同様の方法でニッケル発泡体上のPdの異なる添加量を得ることができる。] [0076] 一般に、均一な触媒スラリーが生成されるまで10〜300分間、強烈攪拌し、または超音波を与えることによって、この溶液を混合する。次に、ペーストが形成されるまで前記溶媒を蒸発させることによって、前記均一な触媒スラリーを濃縮する。前記溶媒としてエタノールを使用する場合、前記ペーストが形成されるまで、前記蒸発を40〜90℃で最適に実施する。次に、前記形成されたペーストを基板上に「塗りつけて」(即ち刃状のもので引き延ばし、または散布し)、陽電極を形成する。好ましくは、前記基板としてNi発泡体を使用した。] [0077] 前記第2の方法は、触媒インクの方法である。この方法では、炭素支持Pd触媒(例えばBASF30%Pd)またはPdブラック触媒を直接、または金属酸化物(例えば酸化すず)と事前混合されたPd触媒をイソプロピルアルコール(isopropyl alcohol:IPA)およびナフィオン(登録商標)(1〜70%)を含有するエタノールと混合する。前記溶液を、好ましくは10〜300分間、超音波攪拌することで混合し、均一な触媒スラリーを生成する。先ず、前記基板(好ましくはNi発泡体)を好ましくは40〜90℃に加熱し、次に、スポイトまたはパスツールピペットを使用して前記触媒スラリーを点滴して前記触媒スラリーを前記Ni発泡体に一様に塗布する。前記Ni発泡体に過剰なスラリーを一度に塗布しないことが推奨される。好ましくは、1層ずつ被覆を塗布し、次の層を追加する前に乾燥させる(周囲温度で約5分間)べきである。] [0078] 前記第3の方法では、炭素繊維紙を使用する。この方法では、炭素支持されたPd触媒(例えばBASF30%Pd)またはPdブラック触媒を直接、または金属酸化物(例えば酸化すず)と事前混合した0.1〜10mg/cm2の範囲の添加量のPd触媒を、Ni細粉と混合する。エタノール中のIPAを加え、前記溶液を10〜300分間、超音波攪拌して均一な触媒スラリーを生成する。ナフィオン(登録商標)(1〜70重量%)を加えることによって前記均一な触媒スラリーをインク化し、超音波を用いて10〜300分間攪拌して均一な触媒インクを生成する。上述の塗りつけ法または点適法の何れかを使用することによって前記均一な触媒インクを炭素繊維紙に塗布する。] [0079] この実施例は、陰極触媒を基板に塗布することによって陰電極を作製する方法を提供する。前記陰極触媒は、金属酸化物ブラック、炭素支持された金属酸化物、または金属酸化物の混合物であってよい。前記基板は、好ましくは導電性で、多孔質で、化学的/機械的に安定しており、疎水性である。好ましくは、微孔質層(micro porous layer:MPL)を使用して前記酸素運搬を改善してもよい。] [0080] 我々の実験において、前記陰電極を作製する2つの方法を開示する。前記第1の方法は、ポリ四フッ化エチレン(polytetrafluorinated ethylene:PTFE)処理された炭素繊維紙陰電極、および基板として被覆された微孔質層(microporous layer:MPL)を形成した触媒ペースト法である。酸化マンガン、活性炭、酸化コバルト、酸化Ni、酸化銅、酸化銀、酸化鉄、酸化クロム、およびこれらの組み合わせ(全て市販品である)などの、約0.1〜約10mg/cm2の範囲の陰極触媒を、水(0〜20重量%)およびエタノール(10〜98重量%)と混合し、少なくとも15分間、超音波で攪拌して、生成された前記溶液を混合した。PTFE溶液(30重量%)を約1重量%〜約70重量%の範囲で加えてスラリーを生成し、前記スラリーを少なくとも10分間、好ましくは300分間、混合して触媒インクスラリーを生成した。前記触媒インクスラリーを点滴して(スポイトまたはパスツールピペットで)、前記触媒インクスラリーを、MPLを有するPTFE処理した炭素繊維紙などの基板に一様に提供した。1層ずつ被覆を塗布し、次の被覆を追加する前に5〜10分間、乾燥器内(温度設定は65℃であった)で乾燥させた。前記触媒スラリーを前記基板に加えて陰極を形成した後、前記陰極を乾燥させ(40〜90℃で10〜45分間)、圧縮成形し(前記陰極をロールプレスして触媒層の密度を増加)、さらに乾燥させ(120℃で1時間)、焼結した(200〜450℃で30〜200分間)。] [0081] 前記第2の方法は触媒インク法である。集電板(好ましくは目の細かいメタルメッシュ)を陰電極内に組み込み、薄い微孔質PTFE膜を基材層として使用した。PTFE処理し、MPL被覆した炭素繊維紙を基板として使用する必要はなかった。前記触媒インク法では、先ず、0.1〜10mg/cm2の範囲の添加量の分散した陰極触媒(陰極触媒のリストについては上述を参照)を水(0〜20重量%)およびエタノール(10〜98重量%)と混合し、生成された前記溶液を超音波で少なくとも15分間攪拌して混合した。PTFE溶液(30重量%)を約1重量%〜約70重量%の範囲で加えてスラリーを生成し、前記スラリーを少なくとも10分間、好ましくは最長300分間混合して触媒インクスラリーを生成した。前記触媒インクスラリーを薄い微孔質PTFE膜の上部に配置した目の細かいメタルメッシュの上に点滴した。前記触媒インクスラリーを(スポイトまたはパスツールピペットで)点滴して前記触媒インクスラリーを前記目の細かいメタルメッシュに一様に提供した。1層ずつ被覆を塗布し、次の被覆を追加する前に乾燥器内(温度設定は65℃であった)で5〜10分間乾燥させた。前記陰極を40〜90℃で10〜45分間乾燥させ、50〜150℃、20〜120psiで1〜10分間熱圧プレスし、次に200〜450℃で30〜200分間焼結した。] 実施例 [0082] この実施例は、本開示の燃料電池の構成を説明する。前記液体燃料電池を組み立て、多孔質セパレータを前記陰電極と陽電極との間に配置した。セパレータとしてイオン交換膜(正イオンまたは負イオン)を使用する必要はなかった。前記セパレータは、好ましくは薄く、微孔質で、水和性で、化学的/機械的に安定しており、導電性ではない。適切なセパレータとしては、例えば、メッシュ、ガラス製フレット、ポリエーテルエーテルケトン(polyetheretherketone:PEEK)が挙げられる。好ましくは、PEEKメッシュをセパレータとして使用した。好ましくは陰極および陽極の双方に集電板を使用して燃料電池電流を集電する。本開示の液体燃料電池はまた、「二室セル」構造として構築されている。この構成は、2つの側を有するセルを有し、前記2つの側は各々2つの陰極を有し、前記2つの陰極の間に共用陽極/燃料槽を有する。この構成は、前記燃料電池の寸法および重量を大幅に低減する一方で出力密度を増加させることにより利点を提供する。]
权利要求:
請求項1 選択透過性膜がない燃料電池であって、(a)陽極チャンバー及び陰極チャンバーを有する密閉燃料電池であって、前記陽極チャンバーはチャンバー間の液体及びイオンの自由な移動を可能にする機械的/電気的多孔質セパレータによって前記陰極チャンバーから分離されているものである、密閉燃料電池、(b)その上に触媒及び燃料と電解質の混合物を有する陽極電極を有する陽極チャンバー、及び(c)その上に触媒及び酸素ガスを持つ疎水性コーティング陰極電極を有する陰極チャンバー、を有するものであり、前記陽極電極及び陰極電極は、電流用のリード線と電気的に接続されており、前記密閉燃料電池は、少なくとも10mA/cm2を産生することができるものである、燃料電池。 請求項2 請求項1記載の選択透過性膜がない燃料電池において、前記燃料電池は、少なくとも15mA/cm2、或いは少なくとも20mA/cm2、或いは少なくとも25mA/cm2、或いは少なくとも30mA/cm2、或いは少なくとも35mA/cm2、或いは少なくとも40mA/cm2、或いは少なくとも1A/cm2の電流密度を産生することができるものである。 請求項3 請求項1記載の選択透過性膜がない燃料電池において、前記陽極電極上の前記触媒は、わずか1mg/cm2の密度で存在するものである。 請求項4 請求項1記載の選択透過性膜がない燃料電池において、前記燃料電池は、連続作動で1μV/時間未満の電圧減衰率を有するものである。 請求項5 請求項4記載の選択透過性膜がない燃料電池において、前記燃料電池は、連続作動で約50μV/時間の電圧減衰率を有するものである。 請求項6 請求項1記載の選択透過性膜がない燃料電池において、前記燃料電池は、あらゆる方向で、若しくはバッチシステムに注入或いは添加される燃料/電解質混合物と共に作動可能なものである。 請求項7 請求項1の選択透過性膜がない燃料電池において、前記燃料電池アウトプットは、少なくとも2mW/cm2である。 請求項8 請求項1記載の選択透過性膜がない燃料電池において、前記燃料混合物は、約5%(容量で)から約50%(容量で)の濃度でアルコール或いはポリ-アルコールを有するものである。 請求項9 請求項8記載の選択透過性膜がない燃料電池において、前記燃料は、エタノール或いはメタノールである。 請求項10 請求項1記載の選択透過性膜がない燃料電池において、前記コーティング電極陰極は、ポリアミド、ポリイミド、フルオロポリマー、有機置換シリカ、有機-置換チタニア、及びそれらの組み合わせから成る群から選択される疎水性ポリマーによってコーティングされているものである。 請求項11 請求項1記載の選択透過性膜がない燃料電池において、前記燃料電池は、40℃未満の温度で作動するものである。 請求項12 請求項11記載の選択透過性膜がない燃料電池において、前記温度は、約20℃から約40℃である。 請求項13 燃料電池であって、(a)燃料混合物、陽極電極、及び陰極電極を有する陽極コンパートメントであって、ここにおいて前記燃料は水性であり、電解質と混合されており、前記陽極電極はそこに埋め込まれた触媒粒子をカーボン紙電極である、陽極コンパートメント、(b)導電性及びコーティング電極陰極である、空気吸入口を持つ陰極コンパートメントであって、前記陰極電極コーティングは疎水性であり、触媒物質はさらに前記導電性コーティング陰極電極内に埋め込まれているものである、陰極コンパートメント、及び(c)水性液体の自由な移動を可能にする陽極及び陰極の間に設置された多孔質セパレータ、を有する燃料電池。 請求項14 請求項13記載の燃料電池において、疎水性物質でコーティングされた前記導電性陰極電極は、陰極のフラッディングを防ぐものである。 請求項15 請求項13記載の燃料電池において、前記燃料混合物は、約5%(容量で)から約50%(容量で)の濃度でアルコール或いはポリ-アルコールを有するものである。 請求項16 請求項15記載の燃料電池において、前記燃料は、エタノール或いはメタノールである。 請求項17 請求項13記載の燃料電池において、前記コーティング電極陰極は、ポリアミド、ポリイミド、フルオロポリマー、有機置換シリカ、有機-置換チタニア、及びそれらの組み合わせから成る群から選択される疎水性ポリマーによってコーティングされているものである。 請求項18 請求項13記載の燃料電池において、前記多孔質セパレータは、多孔質セラミック、グラスファイバー、或いは織多孔質シートである。 請求項19 請求項13記載の燃料電池において、前記燃料電池は、少なくとも15mA/cm2、或いは少なくとも20mA/cm2、或いは少なくとも25mA/cm2、或いは少なくとも30mA/cm2、或いは少なくとも35mA/cm2、或いは少なくとも40mA/cm2、或いは少なくとも1A/cm2の電流密度を産生することができるものである。 請求項20 請求項13記載の燃料電池において、前記燃料電池は、1V/時間未満の電圧減衰率を有するものである。 請求項21 電解質中のアルコール或いはポリアルコールで稼働する燃料選択透過性膜−レス燃料電池に対する分離電池アセンブリであって、これは分離電池アセンブリ及び燃料リザーバーを有するものであり、前記分離電池アセンブリは、(a)約1mmから約10mmの厚さを有し、陽極面及び陰極面を有する多孔質フラットセパレータシート、(b)多孔質導電性基板から成り、燃料リザーバー面及びセパレータ面を有し、前記陽極のセパレータ面上に重ねられた陽極触媒物質を有する、フラットシート陽極、及び(c)多孔質導電性基板から成り、空気面及びセパレータ面を有し、前記セパレータ面上に疎水性物質の微小孔層を有し、前記空気面上で前記多孔質導電性基板内に満たされた触媒を有する、フラットシート陰極を有し、前記フラットシート陽極及びフラットシート陰極は、前記多孔質フラットセパレータと内部でサンドイッチを形成し、前記分離電池アセンブリを形成するものであり、前記陽極、陰極及び多孔質セパレータのフラットシートの領域は、実質的に同じで実質的に整列しているものである、分離電池アセンブリ。 請求項22 請求項21記載の選択透過性膜−レス燃料電池に対する分離電池アセンブリにおいて、前記多孔質フラットセパレータシートは、約1.5mmから約4mmの厚さを有するものである。 請求項23 請求項21記載の選択透過性膜−レス燃料電池に対する分離電池アセンブリにおいて、前記多孔質フラットセパレータシートは、燃料及び電解質混合物に対して化学的に不活性である物質から作られた織或いは不織メッシュである。 請求項24 請求項21記載の選択透過性膜−レス燃料電池に対する分離電池アセンブリにおいて、前記多孔質フラットセパレータシートは、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)から作られるものである。 請求項25 請求項21記載の選択透過性膜−レス燃料電池に対する分離電池アセンブリにおいて、前記フラットシート陽極は、Ni発泡体などの導電性発泡体から作られるものである。 請求項26 請求項21記載の選択透過性膜−レス燃料電池に対する分離電池アセンブリにおいて、前記フラットシート陽極は、ほぼ球状のカーボン粒子をコーティングした金属粒子を有する触媒を使用するものである。 請求項27 請求項21記載の選択透過性膜−レス燃料電池に対する分離電池アセンブリにおいて、前記フラットシート陽極触媒は、Pdである。 請求項28 請求項21記載の選択透過性膜−レス燃料電池に対する分離電池アセンブリにおいて、前記フラットシート陰極は、紙に織或いは不織である導電性カーボンファイバーである。 請求項29 請求項21記載の選択透過性膜−レス燃料電池に対する分離電池アセンブリにおいて、前記陰極のセパレータ面上の微小孔層を形成する前記疎水性物質は、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)から作られるものである。 請求項30 請求項21記載の選択透過性膜−レス燃料電池に対する分離電池アセンブリにおいて、前記燃料はエタノールであり、前記電解質は水素化カリウムである。
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